2018年4月25日水曜日

Davy Jones' Locker

監督:アブ・アイワークス
公開日:1933年12月9日
評価点:★6

ウィリーが海底の沈没船で大冒険

『ウィリー・ホッパー』第5作。このシリーズは基本的にモノクロで撮影されたのだが、この作品と『Hell's Fire』の2作品のみ『シネカラー』という二色式のカラープロセスで撮影されている。幸い状態の良いネガが現存しており、今でもシネカラー特有の鮮やかな色彩が楽しめるのだ。

さて、この作品では冒頭にMGMのレオ・ザ・ライオンを擬人化したキャラクターがウィリーを紹介するシーンから始まる。ステージの上でウィリーが話し始めた冒険譚は、なんと海が舞台。仲良く釣りをしていたウィリーとガールフレンドのマリーだったが、海の王様の王冠を釣り上げてしまった事で王様が激怒。ウィリーの船を嵐で沈没させてしまう。
このシーンの作画は迫力満点で思わず息を呑むほどの出来なのだが、実は前年の『Stormy Seas』で使用された原画の流用なのである。
こうして不幸にも海の底に落ちてしまった二人だったが、大きな沈没船に侵入し、幽霊船長や人魚たちと楽しく歌や踊りを繰り広げる。人魚の顔がどことなくベティ風で色っぽいのが面白い。
ところが酔っ払った船長がマリーにちょっかいを出し始め、怒ったウィリーは船長と一騎打ち。見事勝利したウィリーはマリーとキスを交わすのだった。

アイワークス・スタジオらしいシュールなキャラクター造形と滑らかな動き、独特の色彩設計が楽しい作品だが、やはりストーリーやギャグのインパクトに弱さを感じてしまうのが惜しい。



※収録DVD:Ub Iwerks' Willie Whopper

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